(アヤ先生より)子どもは誰もこぼしたいと思っていません/親子料理のポイント①
「料理はマルチタスク!はじめはこぼします。」
おうち時間が長くなっている今、お子さんと料理をする機会が増えたり、お手伝いしたいと言われることも増えていると思います。実は、お子さんと最後まで楽しく料理するポイントがいくつかあります。今日はそのうちのひとつをお伝えしたいと思います。
【こぼす問題!】
料理をしている時、必ずと言っていいほどこの場面はあると思います。
つい、こぼした時に、
「あっ!こぼした!」「なんでこぼすの!」「どこ見てるの!」
と大人は言ってしまいがちですよね。
ですが、この言葉が子どもたちの料理へのやる気を削いでいきます。
「こぼす=ダメ」と大人はなってしまいがちですが、こぼすことは本当にダメなことなんでしょうか。
もちろんこぼさないほうがいいに決まっています。ですが、プロの料理人だって絶対にこれから先こぼしません、と言い切れる人はいないのです。このことはみなさんもわかっているはずなのに、こぼす場面が多い子どもたちにはつい、言ってしまいますよね。わかります。こう書いている私もつい、「あっ」と言いそうになります。
でも、そんなときはこのことを思い出してください:
「子どもたちは誰もこぼしたいとは思っていません。」
料理はマルチタスクです。
衛生に気を付けて、手順を考え、道具の使い方を考え、安全を意識して(火や包丁など)実践する。これを一工程ずつ繰り返します。料理に慣れていなければ、大人でも難しいことです。
子どもたちは初めてのことも多いので集中し、ドキドキしながら料理にむかっています。
その時にちょっとこぼして「なんでこぼすの!」と言われたら、子どもたちの頭の中はパニックです。
では、そんな時どうしたらいいでしょうか。
スタジオではまず、「いいよ、気にしなくて」と声をかけて、目の前の調理に集中させます。
すぐに拾うこともさせません。なぜかというと、集中力が切れるからです。集中力がないことが一番ケガにつながりやすくなります。
目の前の作業が終わったら、そこではじめて拾ったり、拭いたりすることを伝えれば大丈夫です。
子どもたちは誰もこぼしたいとは思っていないし、わざと全部の材料をぶちまけるような子を私は見たことはありません。ひとつずつ料理の工程ができるようになってから、どうしたらこぼさないようにできるかを伝えていきましょう。
また違う機会に「こぼしにくくなる、道具の使い方ポイント」をお伝えしますね。
では、新しく公開したレッスン動画で、お米とぎではじめは少しお米がこぼれてしまうかもしれませんが、ぐっとこらえて見守っていきましょう!
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潮田彩(うしおだあや)
調理師・日本料理専門調理師調理技能士
東京ステーションホテルをはじめとした調理現場での経験、調理師専門学校での教員及び教務主任経験を経て、2015年「もぐもぐ子ども調理室」を立ち上げる。子どもたちが理解しやすいよう工夫し、かつ保護者が安心して子どもを任せられる指導とカリキュラム構成を実施。女児2児の母。
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